地域金融機関の経営トップ等への脱炭素関連インタビュー
京都北都信用金庫 理事長 藤原 健司
脱炭素に向けた動きを地域の裾野まで拡げるためにも、地域の課題を地域の中で解決できるよう、人材育成や資金循環の仕組み作りに注力されている、京都北都信用金庫 藤原 健司 理事長に、脱炭素に関する取組方針や支援策等について伺いました。
自治体とも連携しながら、脱炭素の取組を地域の裾野まで拡げていきたい
ー脱炭素の取組を行うことになったきっかけや取組方針についてお聞かせください。
2017年に福知山市が立ち上げた「再生可能エネルギー事業化検討会議」に委員として参画したことが一つのきっかけとなりました。
これが契機となって、2019年にはエネルギー事業を軸に地域の社会問題を解決することを目的に、福知山市、龍谷大学、府内事業者2者と「地域循環型再生可能エネルギー事業の推進に関する協定(5者協定)」を締結していますが、本協定の締結がSDGs宣言の公表やソーシャル企業認証制度の立ち上げ、京都府が構築した京都ゼロカーボン・フレームワークへの参加表明などに繋がっています。
当金庫の主な取引先である中小企業では、頭の中では脱炭素の潮流を理解できているものの、目下の課題への対応が先行し、具体的な行動を起こすまでに至っていない先が多くあります。まずは、そうした取引先に対して、足許の脱炭素に向けた世の中の動きをしっかりとお伝えすることが脱炭素への取組の後押しになると考えています。
京都北部地域にも、ゼロカーボンシティ宣言を発出したり、SDGs未来都市として選定される自治体が増えてきました。脱炭素への取組は一朝一夕で実現できるものではありませんが、こうした先進的な自治体とも連携を進めながら、地域の裾野にまで脱炭素の取組を拡げていきたいと考えています。
2017年に福知山市が立ち上げた「再生可能エネルギー事業化検討会議」に委員として参画したことが一つのきっかけとなりました。
これが契機となって、2019年にはエネルギー事業を軸に地域の社会問題を解決することを目的に、福知山市、龍谷大学、府内事業者2者と「地域循環型再生可能エネルギー事業の推進に関する協定(5者協定)」を締結していますが、本協定の締結がSDGs宣言の公表やソーシャル企業認証制度の立ち上げ、京都府が構築した京都ゼロカーボン・フレームワークへの参加表明などに繋がっています。
当金庫の主な取引先である中小企業では、頭の中では脱炭素の潮流を理解できているものの、目下の課題への対応が先行し、具体的な行動を起こすまでに至っていない先が多くあります。まずは、そうした取引先に対して、足許の脱炭素に向けた世の中の動きをしっかりとお伝えすることが脱炭素への取組の後押しになると考えています。
京都北部地域にも、ゼロカーボンシティ宣言を発出したり、SDGs未来都市として選定される自治体が増えてきました。脱炭素への取組は一朝一夕で実現できるものではありませんが、こうした先進的な自治体とも連携を進めながら、地域の裾野にまで脱炭素の取組を拡げていきたいと考えています。
脱炭素の取組に対する「資金供給」と地域の「繋がりを創出」することが使命
ー現在注力している、取引先や地域に対する脱炭素支援策についてお聞かせください。
資金供給を通じた脱炭素への働きかけが、地域の事業者が「選ばれる企業」になることに必ず繋がるという想いで、2023年に京都ゼロカーボン・フレームワークを活用したサステナビリティ・リンク・ローンの取扱いを始めました。また、脱炭素の取組を地域全体で応援する仕組みを作りたいと考え、福知山市において2021年に5者協定の枠組みの中で、公共施設を活用した市民出資型のオンサイトPPA事業を立ち上げました。他にも、「ソーシャル企業認証制度」の認証企業による交流会の開催など、「地域を良くしたい」という志を同じくする事業者のコミュニティ作りにも取り組んでいます。
脱炭素の動きが地域の中小企業へと波及するのは時間の問題です。「選ばれる地域・選ばれる企業」になり、そして地域を持続させていくためには、脱炭素を含めた課題に取り組む人材や事業者を地域の中で増やしていく必要があります。そのためにも当金庫は、脱炭素に取り組む事業者に資金を供給する他、地域・取引先と繋がり、さらに他者に繋げていけるような存在でありたいですし、それが当金庫の使命でもあると考えています。
資金供給を通じた脱炭素への働きかけが、地域の事業者が「選ばれる企業」になることに必ず繋がるという想いで、2023年に京都ゼロカーボン・フレームワークを活用したサステナビリティ・リンク・ローンの取扱いを始めました。また、脱炭素の取組を地域全体で応援する仕組みを作りたいと考え、福知山市において2021年に5者協定の枠組みの中で、公共施設を活用した市民出資型のオンサイトPPA事業を立ち上げました。他にも、「ソーシャル企業認証制度」の認証企業による交流会の開催など、「地域を良くしたい」という志を同じくする事業者のコミュニティ作りにも取り組んでいます。
脱炭素の動きが地域の中小企業へと波及するのは時間の問題です。「選ばれる地域・選ばれる企業」になり、そして地域を持続させていくためには、脱炭素を含めた課題に取り組む人材や事業者を地域の中で増やしていく必要があります。そのためにも当金庫は、脱炭素に取り組む事業者に資金を供給する他、地域・取引先と繋がり、さらに他者に繋げていけるような存在でありたいですし、それが当金庫の使命でもあると考えています。
取引先が思い描く夢や将来像を理解して、脱炭素経営の後押しを
ー職員の皆様に対して、期待を込めたメッセージをお願いします。
職員には、脱炭素の潮流が取引先に与える影響について自ら考え、課題を抽出していく役割を期待しています。実際、今年度から事業性評価における事業者の課題項目に、脱炭素に関連する項目を入れました。職員の皆様には、取引先としっかり対話をしながら、取引先が思い描く夢や将来像を理解して、現状とのギャップを解消し、実現していけるように、熱意を持って取引先と一緒に取り組んでもらいたいと思います。金融サービスに限らず、脱炭素についても身近な取組からスタートいただけるような提案をしていってください。
そうした活動はなかなか数値化できませんが、地道に続けていけば資金需要も必ず出てきます。時間は掛かるかもしれませんが、思い描く将来像を実現できた際に頂ける感謝は、一度のご融資によって得られるものとはまた違ってくるでしょう。そうした経験の積み重ねが、職員自身の成長・やりがいにも繋がると信じています。
職員には、脱炭素の潮流が取引先に与える影響について自ら考え、課題を抽出していく役割を期待しています。実際、今年度から事業性評価における事業者の課題項目に、脱炭素に関連する項目を入れました。職員の皆様には、取引先としっかり対話をしながら、取引先が思い描く夢や将来像を理解して、現状とのギャップを解消し、実現していけるように、熱意を持って取引先と一緒に取り組んでもらいたいと思います。金融サービスに限らず、脱炭素についても身近な取組からスタートいただけるような提案をしていってください。
そうした活動はなかなか数値化できませんが、地道に続けていけば資金需要も必ず出てきます。時間は掛かるかもしれませんが、思い描く将来像を実現できた際に頂ける感謝は、一度のご融資によって得られるものとはまた違ってくるでしょう。そうした経験の積み重ねが、職員自身の成長・やりがいにも繋がると信じています。
【本ページに関するお問い合わせ先】
近畿地方環境事務所 地域脱炭素創生室
住所:〒530-0042 大阪市北区天満橋1丁目8番75号桜ノ宮合同庁舎4階
電話番号:06-6881-6511
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