ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

近畿地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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吉野熊野国立公園

71件の記事があります。

2020年07月01日春の大台ヶ原

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

梅雨に入り暑さも増す季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

この時期といえば、やはり梅。今年は残念なことに収穫に行けませんでしたが、以前漬けたシロップや梅酒がどれほど美味しくなっているのか気になる頃合いです。どきどきしながら開封してみようかなと思いつつも、もう少し漬けておこうかと見計らう日々を送っております。

 さて、新型コロナウイルス感染症の影響のため、開山以降しばらくは皆さまに楽しんでいただける機会が少ないまま、大台ヶ原は初夏を迎えました。そこで、本日は、遅ればせながら春に見られた大台ヶ原の自然を振り返り、少しでも皆さまに雰囲気をお伝えできればと思います。

 4月半ば開山直後の大台ヶ原は、樹木の葉はまだ出ておらず、残雪が所々にあり、霜が降りる日もあるなど若干冬の様相を残しています。しかし、地表では草花が咲き始め、春の訪れが感じられました。

霜柱

ヒメミヤマスミレ

ワチガイソウ

霜柱

ヒメミヤマスミレ

ワチガイソウ

 時には動物たちの姿が歩道沿いでも見られ、木々も芽吹いて花が咲き、鳥がさかんに囀り、更ににぎやかな森となりました。

カマツカ

ヤマツツジ

サラサドウダン

カマツカ

ヤマツツジ

サラサドウダン

アナグマ

ニホンリス

エゾハルゼミ(羽化)

アナグマ

ニホンリス

エゾハルゼミ(羽化後)

 全体的にシロヤシオやシャクナゲの花の付きは少なめでしたが、東大台西大台ともに美しい新緑となり、今は、梅雨ならではのしっとりした深い緑の森が広がっています。

シャクナゲ

シロヤシオ

バイケイソウ群落(西大台)

シャクナゲ

シロヤシオ

バイケイソウ群落(西大台)

 これから本格的な夏に入ると、標高が高めとはいえ、大台ヶ原も天候によっては暑い日が多く、特に東大台は日を遮るものがない場所もあります。体調には十分ご注意の上、熱中症対策のご準備をお忘れないよう気をつけてお越しください。

【ビジターセンター利用におけるお願い】

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、皆さまに下記のご協力をお願いしております。

・発熱や咳・咽頭痛などの症状がある場合、入館はお控えください。

・館内では、ご自身のマスク着用をお願いいたします。

・館内では、他の利用者の方と一定の距離をお保ちください。

そのほか、混雑時には入館規制など適切な利用の呼びかけをさせていただく場合があります。ご不便をおかけしますが、ご理解くださいますようお願いします。

大台ヶ原ビジターセンターFacebook

大台ヶ原ビジターセンター窓口による大台ヶ原の情報をお知らせしております。是非ご覧ください。

大台ヶ原登録ガイド

環境省では、大台ヶ原をより深く楽しく安全に満喫いただくために、大台ヶ原登録ガイド制度を運用しております。ガイドを選んで、是非自分だけの大台ヶ原をカスタマイズしてみてください。

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2020年05月26日【お知らせ】大台ヶ原ビジターセンター・西大台利用調整地区の再開とご協力のお願い

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

5月も下旬となり、大好きな新タマネギが終わりつつあることに寂しさを覚えつつも、もうすぐやってくる夏野菜に思いを巡らす日々を送っています。日差しや暑さも日ごとに増しているので、熱中症対策のためにも、よく食べてよく寝て、水分補給はしっかりとることが大切だなとも感じる時期ですね。

 

 さて、今回は皆さまに大台ヶ原の利用状況についてお知らせがあります。

4月17日(金)より臨時閉館及び閉鎖となっていた大台ヶ原ビジターセンターと西大台利用調整地区は、奈良県の休業要請の解除等を踏まえ、5月16日(土)より再開いたしました。県営の大台ヶ原駐車場についても、同日から利用再開となり、公共交通機関(奈良交通バス)、その他の山上施設や大杉谷等周辺地域についても、それぞれ利用状況に関する情報が更新されております。こちらについては、下部の参照リンクをご確認ください。

 なお、ビジターセンターでは、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、利用者の皆様に下記のご協力をお願いしております。

○発熱や咳・咽頭痛などの症状がある場合、入館はお控えください。

○館内では、ご自身のマスク着用をお願いいたします。

○館内では、他の利用者の方と一定の距離をお保ちください。

 そのほか、混雑時には適切な利用の呼びかけをさせていただく場合がございます。ご不便をおかけしますが、皆さまのご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。

【感染症対応】大台ヶ原ビジターセンター玄関

【感染症対応】西大台利用調整地区レクチャー

【感染症対応】博物展示施設

【感染症対応】

大台ヶ原ビジターセンター玄関

【感染症対応】

西大台利用調整地区レクチャー

【感染症対応】

博物展示施設

【参照】

大台ヶ原ビジターセンターFacebook

奈良県景観自然環境課

上北山村

奈良交通バス

大杉谷登山センター

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2020年05月07日【お知らせ】大台ヶ原ビジターセンターの臨時休館・西大台利用調整地区の閉鎖

吉野熊野国立公園 小川 遥

皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

今までになく年度末や年度初めは慌ただしく過ぎていき、いつの間にか季節は移ろい、暖かな陽気となりました。とはいえ季節の変わり目でまだ寒暖差が感じられる中、健康を維持していくために、よく食べてよく寝るということを今まで以上に意識しつつ、体重計からは目を逸らす日々を送っております。

 

 さて、今回は皆さまに大切なお知らせがあります。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、4月17日(金)より当面の間、大台ヶ原ビジターセンターは臨時休館となっております。併せて、西大台利用調整地区についても当面の間、閉鎖しております。閉鎖期間における利用及び立入りはできません。再開時期につきましては、見通しが立ち次第、近畿地方環境事務所ホームページや大台ヶ原ビジターセンターFacebookでお知らせします。

【臨時休館】大台ヶ原ビジターセンター

【臨時閉鎖】西大台利用調整地区ゲート

【閉鎖周知】国道169号からドライブウェイ分岐

【臨時休館】

大台ヶ原ビジターセンター

【臨時閉鎖】

西大台利用調整地区ゲート

【閉鎖周知】

国道169号からドライブウェイ分岐

 なお、県営の大台ヶ原山上駐車場についても、4月25日(土)から当面の間、利用休止となります。

公共交通機関(奈良交通バス)、その他の山上施設や周辺地域についても、利用休止や一部制限等の対応を随時されておりますのでご注意ください。

また、大台ヶ原から三重県側に繋がる大杉谷方面につきましても、山小屋や三重県側登山口への登山バスが一時営業休止となっております。

 

ご不便をおかけしますが、皆さまのご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。

【参照】

近畿地方環境事務所HP

大台ヶ原ビジターセンターFacebook

奈良県景観自然環境課

上北山村

奈良交通バス

大杉谷登山センター

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2020年03月30日弘前城、高遠城址、吉野山

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 春早し、今年は桜の開花も早々に始まっています。陽気は穏やかになってきましたが、世間は陽気に穏やかではいられませんね。明るい話題も少ないですが、気を落とさずにいきたいものです。新型コロナウィルスの感染が、早いこと収束することを願っております、吉野管理官事務所の青谷でございます。

 滅入ってばかりもいられません。日本各地で桜の開花が宣言されています。吉野熊野国立公園には吉野山という日本有数のサクラの名所があります。タイトルにも書きました3箇所は、日本三大桜の名所と言われておりまして、その一翼を担っているのです。春の陽気も漂う吉野山、家に居ながらにして桜の風景を楽しむ方法がございます!それが、インターネット自然研究所のライブカメラ。

 全国の国立公園にカメラが設置されており、折々の風景を眺めることが出来ます。動画ではなく静止画ですが、山や湖、海の中までも見ることが出来ます。各地に行ったつもりで楽しめる。アクセスはhttps://www.sizenken.biodic.go.jp/若しくは「インターネット自然研究所」で検索です。

 もちろん、吉野熊野国立公園にもいくつか設置されており、当管内では吉野山にあります。

吉野山の桜風景

カメラと同じアングルの写真が此方(撮影は平成28年4月)。見える景色はほとんど同じです。絶賛開花中ですので、インターネットでも桜を楽しんで下さい。

 さて、吉野山にはサクラがたくさん生えています。その中で、一番本数が多いのがシロヤマザクラという種。これは、花びらが桃色ではなく白に薄い桃色が混じる感じになります。先ほどの写真のように、全体的に白っぽい風景になりますね。

シロヤマザクラ

近くで撮影したものがこちら。花と一緒に赤っぽい葉が同時に出てくるのが特徴。

 吉野山の桜の由来はその昔、大峯奥駆の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が、金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)を祈り出し、その姿をヤマザクラの木に刻みお祀りしたことから、古くから信仰の証として吉野山では植樹されており、今なお大切に守られております。

 春だけでなく、新緑の葉桜や秋の紅葉も一興ですので、森林浴に紅葉狩りと春以外でも楽しみがたくさんの吉野山に、是非とも訪れて下さい。

 さて、唐突に私事で恐縮なのですが、令和2年3月31日をもちまして、アクティブ・レンジャーの職を辞することになりました。約5年という長きにわたり、大変お世話になりました。後任として着任する者もアクティブ・レンジャー日記を更新いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

 それでは皆さん、お元気で。

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2020年03月05日2020年!大台ヶ原の恵方

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

日が経つのは早いもので、年が明けたと思っているうちに3月に入りました。2月の節分ではその時期にしか並ばない恵方巻きを食べることができたので、2020年も良い年となる予感がしております。

 そこで今回は、今年大台ヶ原に来られる皆さまにとっても、より良い年となりますよう願いを込めて、2020年大台ヶ原の恵方をご紹介します。

今年の恵方は西南西ということですので、地図とコンパスを使い、大台ヶ原における大体の方角を確認すると・・・。東大台の中でも一押しスポットである、大蛇嵓(だいじゃぐら)がありました!

 大蛇嵓と聞くと、下記中央の風景を見たことがある方が多いのではないでしょうか。実はこちらは、大蛇嵓先端に立って前方を見た時に斜め下にある、不動返しと呼ばれる突き出た地形です。大蛇嵓は皆さんが立つ岩場の場所になります。

2020年大台ヶ原の恵方

大蛇嵓から見た不動返し

大蛇嵓に立った視点

2020年大台ヶ原の恵方

大蛇嵓から見た不動返し

大蛇嵓に立った視点

 向かって右側には切り立った岩壁である蒸籠嵓(せいろぐら)がそそり立ち、その奥にある緩やかに平らになっていく場所が利用調整地区である西大台、更に見渡していくと正面の竜合尾根(りゅうご(う)おね)に続いていきます。西大台方面には遠目で小さいながらも、2つの滝(中ノ滝、西ノ滝)を見ることができます。右手奥には、皆さんが登ってこられた大台ヶ原ドライブウェイ、そして、正面奥には近畿最高峰である八経ヶ岳を含む大峰山脈が広がります。竜合尾根の下を流れる川と遠くに見えるダムを挟んだ左手側は、熊野方面に向かって台高山脈がのびています。大蛇嵓は、大台ヶ原が急峻な山に囲まれた準平原という独特な地形をしていることが体感できる絶景ポイントです。

蒸籠嵓の岩壁

大蛇嵓から西大台方面

大蛇嵓から大峰山脈方面

蒸籠嵓の岩壁

大蛇嵓から西大台方面

大蛇嵓から大峰山脈方面

大蛇嵓から台高山脈とダム方面

雲に見え隠れする不動返し

大蛇嵓周辺のアケボノツツジ

大蛇嵓から台高山脈とダム方面

雲に見え隠れする不動返し

大蛇嵓周辺のアケボノツツジ

 春から夏は色とりどりの花や新緑、秋は紅葉を楽しむことができ、少し霧がでているような時には展望は見えませんが幻想的な雰囲気が漂います。他にも、日出ヶ岳下のテラスで日の出を見てから味わう早朝の大蛇嵓は、個人的に一番のおすすめです。(※日の出前や夕方に山中に入る場合はヘッドライト等の装備をご確認のうえ、足場にご注意ください。)

 皆さま、今年の開山が更に待ち遠しくなったのではないでしょうか。4月のドライブウェイ開通後は、是非2020年にしか味わえない大蛇嵓、そして大台ヶ原を楽しみにお越しください。今年も皆さまと大台ヶ原にとってより良いシーズンとなることを願っております☆

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)15時~令和2年4月17日(金)15時(予定)

上期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。

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2020年01月30日霧氷はありますか?

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 新年です。昨年は日本も世界も見渡せば、善し悪しあれど何かと騒がしい一年でありました。今年も色々と事が起こるのでしょうが、良い一年であったと言えるようにしたいものです。一年の願いは「平穏無事」、吉野管理官事務所の青谷でございます。

 1月13日のこと、吉野熊野国立公園のお隣、室生赤目青山国定公園にあります三峰山(みうねやま)に登って参りました。世は成人の日ということで、山へ向かう途中にあった公民館の様なところでも成人式の準備をしていました。大人の仲間入りを果たす若人が祝われるさなか、近畿地方環境事務所主催の山の日記念行事の最終回を三峰山にて開催しました。

霧氷トレッキングと銘打ちまして、奈良県は御杖村(みつえむら)からの登山を計画したのですが、聞く限りでは暖冬という始末。はたして雪山登山はできるのか?はたまた普通の山登りになってしまうのか?答えは登ってみないと分かりません。

 当日の天気は晴れで、風は少々強く感じるが寒さはそこまでではなく。みつえ青少年旅行村にある登山口から始めは舗装路を歩き、途中から植林地の山道へ入ります。勾配の急なところは少ない、歩きやすいコースでした。

 お昼休憩は山中の避難小屋にて。今回のイベントに合わせて地元のものを使ったお弁当(写真左)を用意しました。御杖村特産の漬物やこんにゃくも入っており、大変美味でした。腹ごしらえが済んだら、後半の登りに出発です。ここからは雪が積もっており、軽アイゼンの出番になります。雪の量は少ないと思いましたが、雪山を体験できて一安心。後は霧氷が見られるかどうかです。

山のお弁当雪だるまと登山道

 道中には、誰が作ったのか雪だるまがお出迎え。山頂への道のりも変わらず穏やかで、晴れていたこともあり眼下に御杖村を望むことが出来ました。

三峰山のビューポイントから

 唐突に現れたビューポイント、雄大な山並みは壮観でありました。なんでも、条件が揃えば木曽御嶽山や富士山までも見ることができるということでしたが、当日の結果は上の写真のとおり、見ることは叶いませんでした。さて、ビッグイベントたる霧氷はどうだったのかと言いますと。

霧氷霧氷

 見事に見ることが出来ました。さて、霧氷(むひょう)とは何ぞやといいますと、霧や水蒸気が凍って木についたもの。蔵王で有名な樹氷も霧氷の一種です。

雪だるまの社

 山頂には、雪だるまの社がありました。皆で記念撮影をし、無事に下山いたしました。

御杖村のみつえ青少年旅行村では、1月11日から3月1日まで、霧氷まつりを行っております。当日も物産店など出ていましたので、よろしければ遊びに行って下さい。詳しくは、御杖村のホームページから

(https://www.vill.mitsue.nara.jp/kurashi/kanko/5/1338.html)。

 冬山は、夏や秋とはまた違った顔になります。登山道が雪で隠れたり、既存のコースを外れないと行けなかったりと、迷う可能性も考慮して、しっかりと準備して余裕のある登山計画で楽しんで下さい。

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2019年12月24日Memories of Oodaigahara in 2019

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

 12月も半ばを過ぎ、2019年も残りわずかとなりました。年末の大掃除を無事に終えることができるかよりも、年越しそばの上にはニシンを載せるかエビ天ぷらを載せるか、それとも肉大盛りにするかを考えてしまう時期です。個人的には、全部載せをするとより素敵な2020年を迎えることができるのではと思っています。

 さて、今年最後となる今回は、2019年の大台ヶ原を振り返っていきたいと思います!

 まずは春。道路の冬季通行止めが解除された翌日には、今シーズン始発となる奈良交通バスの乗客を出迎えて、山開きが行われました。大台ヶ原パークボランティア(以下PV)も早速活動を開始し、皆さまに気持ちよく利用してもらうべく、汚れた看板の掃除やゴミ拾い、歩道補修などを行いました。まだ花や緑は少ない時期ですが、木々の芽の膨らみやほんのりと暖かさを感じる陽気、時々聞こえる動物の声が春の訪れを感じさせてくれました。

大台ヶ原山開き

PV活動(看板拭き).

PV活動(歩道補修)

大台ヶ原山開き

PV活動(看板拭き)

PV活動(歩道補修)

 春から夏はたくさんの草木が展葉して花をつけ、鳥たちの恋の季節となり、賑やかさが増します。その一方で、雨が多い大台ヶ原ならではの霧立ちこめる幻想的な風景が見られる日もありました。PVも自然観察会を開催し、参加された方に旬の大台ヶ原を紹介しました。

シロヤシオ(正木峠周辺)

霧の西大台

8月観察会(大蛇嵓)

シロヤシオ(正木峠周辺)

霧の西大台

8月観察会(大蛇嵓)

 9月末には林野庁との共催イベント(森林再生応援団)を行い、一般ボランティアの方に稚樹を保護した柵内のササ刈りやネット巻きなどをしていただきました。麓よりも一足早く秋が深まると、たくさんの方が紅葉の東大台と西大台を楽しまれていました。

森林再生応援団

紅葉(西大台)

紅葉(大蛇嵓)

森林再生応援団

紅葉(西大台)

紅葉(大蛇嵓)

 最後に冬。PVは、11月半ばに行った歩道沿い側溝の掃除や木道階段のコケ取り、ササ刈りなどを締めくくりとして、今シーズンの活動を終了しました。そして、例年と比べると降雪は遅めでしたが11月終盤には雪景色が見られ、本格的な冬の到来を感じる中、12月初めの道路の冬季通行止めに伴い、閉山いたしました。

霜柱(西大台)

霧氷(西大台)

霧氷(ドライブウェイ)

霜柱(西大台)

霧氷(西大台)

霧氷(ドライブウェイ)

 みなさんはどのような2019年の大台ヶ原を楽しまれたでしょうか。まだ見たことがない風景がある、もう一度あの景色を見たい、行ったことがないけれども行ってみたいという方は、是非来年の大台ヶ原を楽しみにお待ち下さい。もちろん、4月の開山までこちらの日記でも引き続き大台ヶ原の魅力をお届けしたいと思います。それでは皆さま、素敵な新年をお迎え下さい。

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)15時~令和2年4月17日(金)15時(予定)

上期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。

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2019年12月16日つれもていこら観察会~満天の星空をみよう!~を開催しました

吉野熊野国立公園 中村千佳子

 皆さんこんにちは。田辺管理官事務所の中村です。風が一層冷たく、冬らしくなってきました。空が澄んでくる冬は、星もきれいに見え、流れ星を見つけると嬉しくなり願い事をしたくなりますね。

 さて、田辺管理官事務所では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全について関心を深めていただくことを目的として、12月2()にみなべ町にて、つれもていこら観察会~満天の星空をみよう!~を開催しましたのでご報告します。

 当日は、朝から雨が降っていましたが夕方には止み、観察会を行うことができました。

近隣から13名が参加してくれました。

星空観察について講師から解説
星空観察について講師から解説

 はじめに、講師の角田 夏樹氏より、光害(ひかりがい)や星空観察についてのお話しを聞きました。

 今回の観察場所の近くにある千里の浜はアカウミガメの産卵地としても有名で、野生動物は光に引き寄せられたり、逆に夜は光を嫌って逃げていくなどの説明がありました。

 照明にはこういった様々な影響があること、道路・街路などの人工照明の過剰な明るさや不必要な方向に漏れた光はエネルギーの無駄になること、街灯の高さを低くしたりデザインを工夫することで明るさだけでなく周辺環境に配慮した照明が必要であることなど、分かりやすい解説で、星空ガイドとしてのこれまでの活動をお話いただきました。

 次に、星空観察を行う広場へ移動しました。北極星や夏の大三角形、秋の四角形等をレーザーポインターを使って夜空に当てながら星の場所を教えてもらいました。また、大きな望遠鏡で月の表面のクレーターや天の川に集まる肉眼では見えない無数の星々の観察も行いました。

広場での星空観察
広場での星空観察

 参加者からは、「はじめて(大きな望遠鏡で)月や星を見ました。感動しました。」「色んな星をしっかり見られたし、星の名前もよくわかった。」「流れ星を見られて嬉しかった。」「光害についてこれから必要でない光は消そうと思った。」などの感想が寄せられました。

集合写真
集合写真

 これからの季節、共に空を見上げ、自然の光を眺めながら贅沢な時間を過ごしてみませんか?

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2019年12月06日大台ヶ原の冬に向けて

吉野熊野国立公園 小川 遥

 皆さま、こんにちは。吉野の小川です。

近頃は日を追うごとに空気が冷たくなり本格的な冬に入りつつあります。この時期になると、ゆっくりお風呂につかり、秋の味覚に未練を残しつつもこたつで鍋とみかんに幸せを感じながら、年末に向けた食べ納めに思いを巡らせております。

 さて、今回は、先日行った大台ヶ原での取組みのひとつをご紹介したいと思います!

大台ヶ原といえば、特徴のひとつに、東大台のトウヒ林を主とする亜高山帯針葉樹林や西大台に広がる大規模なブナ-ウラジロモミの針広混交林があります。特に最終氷期時代の生き残りであるトウヒが近畿地方でまとまって見られることはとても貴重です。

トウヒ

ウラジロモミ

ブナ

トウヒ

ウラジロモミ

ブナ

 しかし、大台ヶ原に多数生息するニホンジカにより剥皮され枯死してしまうことが問題となっています。そのため、環境省ではかねてより剥皮防止として樹脂製ネットを巻き、母樹の保護に取り組んできました(詳しくはこちら

シカによる剥皮は時期に関わらず確認されていますが、春先開山後に食害がより目立っていると感じられます。そこで、閉山に備えて、職員にてトウヒを中心にネットを設置する作業を行いました。数人で1本1本巻いていく地道な工程ですが、1本でも多くの木々を守ることから大台ヶ原の森林維持や再生に繋がることを願っています。

剥皮された木

ネット巻き作業

ネット巻き後

剥皮された木

ネット巻き作業

ネット巻き後

 そして、大台ヶ原も遂に今シーズンの終わりが近づいてきました。12月2日(月)15時に山上駐車場へ続く道路が冬季閉鎖となり、それに伴って大台ヶ原ビジターセンターも閉鎖いたします。

また、三重県側から大台ヶ原へ続く大杉谷の登山シーズンは、今春に設定していた開山期間のとおり、11月24日(日)をもって終了いたしました。

 今年もたくさんの方に季節ごとに移り変わる様々な大台ヶ原や大杉谷をお楽しみいただけたことかと思います。ご来訪ありがとうございました!

【お知らせ】

☆大台ヶ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)通行止め☆

令和元年12月2日(月)15時~令和2年4月17日(金)15時(予定)

上期間中は、冬季閉鎖のため、大台ヶ原山上へ通じるドライブウェイは通行止めです。

詳細はこちら

☆大台ヶ原ビジターセンターのFacebookが始まりました☆

今年度8月より、こちらのFacebookにて、大台ヶ原ビジターセンター窓口による大台ヶ原の情報をお知らせしております(開山時期のみ)。皆さま、是非ご覧ください。

☆大台ヶ原登録ガイドをご紹介☆

環境省では、大台ヶ原をより深く楽しく安全に満喫いただくために、大台ヶ原登録ガイド制度を運用しております。ガイドを選んで自分だけの大台ヶ原をカスタマイズしてみましょう。くわしくはこちら→Let's enjoy Oodaigahara!!

★平成31年4月1日より、事務所の名称が変更となっております★

(変更後)吉野管理官事務所  ←(変更前)吉野自然保護官事務所

住所及び電話番号に変更はありません。引き続きよろしくお願いいたします。

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2019年12月04日デンジャラスなトレイル

吉野熊野国立公園 青谷 克哉

 吉野管理官事務所の青谷でございます。吉野は気温も下がって冬の気配を感じる間もなく、いきなり到来してしまっている感じです。寒くなると暖房器具が手放せませんが、本格的に稼働する前に点検は欠かせませんね。火事には十分気をつけたいものです。

 さて、点検ということでは去る11月13日に天川村にある登山道の点検に行って参りました。その登山道は双門弥山線歩道と言いまして、天川村の熊渡りという所から弥山山頂を目指す登山道になります。我が管内では最も過酷で危険な歩道であると思っています。

 この時期は日暮れも早く気温も下がりやすいのでスタートを早めにしようと早朝4:30に事務所を出発して登山道入り口へ。しかし現地は真っ暗闇でした。流石に早すぎたかと登山道を維持管理している天川村の職員と相談し、これは危険と一緒に一時待機。ヘッドライト無しでも行けるかな?という具合を見計らって出発しました。

 天川村は熊渡りからスタートで、まずは白川八丁を目指します。下の写真は白川八丁にたどり着いてすぐの風景です。

白い石場をどんどんと進んで行きます。最近雨も降っていないので水量は少なく、道中にある釜滝も細々としておりました。

 釜滝からは斜面を登り、山に分け入っていきます。山中はまた過酷な道で、よくもこんな所に道を作ったものだと思いますね。工事をした人々の苦労が忍ばれます。感謝の念に堪えません。そんな道中にある梯子を登り、鎖を掴み、根っこをよじ登ってもう大変です。

鉄梯子鉄梯子

険しい道を進んでいると、いよいよ弥山川に突き当たります。そこからは河原を上流にたどり河原小屋跡へ。

河原小屋跡地付近

昔の台風のせいで岩がごろごろ。開けたところで一休み、昼食をとって英気を養います。河原小屋跡からは岩場を登る道が始まり、こちらもハードな道行きです。

切り立つ崖にある鉄棒だけの足場を越えたりします。怖すぎますね、命を大切に。狼平まで登れば一安心。避難小屋で休憩し、あとは歩きやすい登山道を登るだけです。

 こんな危険な登山道で何を点検するのかというと、梯子や鎖をメインに道の状態などです。施設の破損は危険に直結します。危険な道をさらに危険にするわけにはいかないので見回るわけです。緩みはないか、鎖は無事かを見回り、必要があれば修繕します 。アクティブ・レンジャーは、こういう過酷な場所でも仕事をします。

 双門弥山線歩道は上級者向けのコースであり、体調良く体力の充実した状態の時に二人以上で挑んで下さい。このコースの下りは危険度が跳ね上がりますので下からの登りのみにして下さい。ヘルメットも忘れずに。途中で引き返すということが非常に困難な登山道でもありますので、下調べをしっかりとして無理と思えば行かない選択も必要です。また、引き返すときは早めに決断をしてください。

 しかしながら、過酷な道行きに危険ばかりと脅すだけでは折角の歩道整備も意味が薄れるというもの。双門弥山コースは、吉野管理官事務所管内のどの山とも違った登山が楽しめます。まさしく登っていくという言葉が似合う、足だけでなく両手、時には全身を使っての登山は、すばらしい達成感を与えてくれます。山間を行くので展望は所々しか開けていませんが、それでもはっとする様な景色が見えるときがあります。

こんな感じです。方角はみたらい渓谷、観音峰の方向になります。登った!という満足感が欲しい方には大変オススメのコースですが、これからの時期は冬山になりますので、早速のチャレンジはオススメしません。山小屋も閉まっており、車道も通行止めになります。道中の岩場や鉄梯子も凍結し、積雪があるでしょう 。来年、暖かくなってから挑戦して下さい。

 それでは、今回はこの辺でごきげんよう。

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