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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

初秋の丹後砂丘

2021年09月22日
竹野 久畑久美子

みなさまこんにちは。竹野自然保護官事務所の久畑です。

9月も中旬になり過ごしやすい日が増えてきました。まだ日陰のない砂浜は夏のような暑さですが、今回丹後砂丘の巡視に行ったところ、夏から秋の植物がみられましたのでご紹介したいと思います。

丹後砂丘で見られる初秋の海浜植物

(左上:カワラナデシコ・ネコノシタ・ハマベノギク   

 左下:ツリガネニンジン・ビロードテンツキ・ウンラン)

以前「植生豊かな丹後砂丘」で春から夏に見られる海浜植物をご紹介しましたが、その時には見られなかった植物を見ることができました。また、少し時期が過ぎてしまいましたがトウテイランの群落を見ることができました。

紫色の花をつけるトウテイラン

    (紫色の花を咲かせるトウテイラン)

さらに、春に確認した植物はおもしろいほど形を変えていました。

    (春~初夏)           (初秋)

春と秋の植物の変化

  (上:ハマウツボ 中:カワラヨモギ 下:ハマゴウ)

ハマウツボは枯れて黒い棒のようになっていました。ハマウツボが寄生していたカワラヨモギは、一見別の植物に見える黄緑色の花を咲かせていました。

ハマゴウはコロコロとした実が生り、とても爽やかな香りがしました。

一方で、春には気付かなかったオオフタバムグラという、生態系等に被害を及ぼすおそれがあるとされている外来種もみつかりました。

小さな花をつけるオオフタバムグラ

     (オオフタバムグラ)

         

また、今回は見かけませんでしたが、7月の巡視の際には黄色い漁網のようなアメリカネナシカズラという寄生植物も確認しました。

地面を這う黄色い漁網のようなアメリカネナシカズラ

  (アメリカネナシカズラ:撮影7月)

こちらも生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種です。

このように丹後砂丘では季節によってさまざまな植物を観察することができます。貴重な植物が多くあるため、みだりに採取したり、歩道の外や植物が密生している場所はなるべく歩かないようお願いいたします。

今回ご紹介した丹後砂丘は、山陰海岸ジオパークトレイルコースの一部です。

9月18日から11月30日まで山陰海岸ジオトレイルコースを歩くことでポイントがたまるキャンペーンが開催されています。この機会に歩いてみてはいかがでしょうか。

詳しくは以下のホームページをご覧ください。

山陰海岸ジオパークトレイルページリンク〉

それではまた次回。