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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

ふれあいイベント報告

2017年12月07日
吉野熊野国立公園 岩田佐知代

環境省熊野自然保護官事務所 アクティブ・レンジャーの岩田です。

1111日(土)に本宮町で開催した「吉野熊野国立公園 アユの伝統漁法を学ぶ!」のイベント報告をします。

このイベントは、熊野川流域のアユの伝統漁法である「小鷹網(こたかあみ)漁」を見学し、人と自然の関わりや環境保全についての理解を深め、自然とふれあい楽しんでいただこうと企画しました。

10月末に襲来した台風21号と22号の大雨の影響で、開催場所に作っておいた'せぎ'(竹や笹を使い、魚を集めて捕る仕掛け 写真1、2参照)」が流されてしまい、川の濁りもとれず開催が危ぶまれましたが、急遽、開催場所を変更し、講師の方に'せぎ'を作っていただいて、無事に当日を迎えることができました。

写真1 竹や笹を使って作る"せぎ"         写真2 開催場所のせぎ 

当日は、講師の先生から、アユの習性として、9月から12月に産卵のために上流から下流へと移動することやこの習性を利用した小鷹網漁について、網の種類や投げ方などの説明も受け、'せぎ'の上流に網を投げて、下流を目指して集まったアユを捕る様子を見学しました。講師に網の投げ方を教わり、実際に網投げを体験した子もいました。また、熊野川で見られる回遊魚(アユ、ウナギ、ハゼ科の魚等)、純淡水魚(コイ、オイカワ、カワムツ、アマゴ等)、河口近くの汽水域にも住む海水魚(ボラ、スズキ等)の解説もあり、きれいな川だからこそいろいろな魚が生息できることも知ってもらいました。

漁の見学の後には、アユのつかみ獲りを体験しました。子ども、大人も楽しそうに、そして必死にアユを追いかける姿は、見ていてもほほえましく感じました。

獲ったアユは、その場で焼いて試食し、新鮮なアユに舌鼓を打ちました。

地域の伝統漁法や川に生息する魚について知ったり体験したり、自然とのふれあいを楽しんでいただきました。

網の投げ方の説明                8歳の時から小鷹網漁をしている88歳の講師

小鷹網で獲れたアユ                 アユのつかみ獲り
アユを焼く                      最後に集合写真