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近畿地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [近畿地区]

冠島オオミズナギドリ調査!

2015年09月24日
竹野 酒井 良明

皆さんこんにちは。

竹野自然保護官事務所の酒井です。

9月に入り、竹野のあちこちが大わらわだった夏シーズンが終わり、竹野はいつもの静けさを取り戻しました。

今夏は天候に恵まれたこともあり、竹野をはじめとした山陰地域を多くの方々に訪れていただいたようでした。

さて、8月末の恒例業務となっている冠島の調査に泊まりがけで同行してしてきましたので今回はその様子をお伝えいたします。

まず冠島とは何か?というところからお伝えしたいと思います。

冠島沓島は舞鶴市の沖にある小さな二つの無人島で国の天然記念物である海鳥「オオミズナギドリ」の繁殖地として国指定鳥獣保護区に指定されている島です。

普段は上陸禁止の島ですが、年に2回のオオミズナギドリ繁殖調査の際には上陸することができます。

今回は冠島調査研究会のオオミズナギドリの調査に同行してきました。

舞鶴の桟橋から海上自衛隊の船に乗り込み、出発します。

おおよそ二時間半程度で船旅を終え、冠島に上陸します。

上陸後は下に写真のように野営地を設置します。

 

基本的にオオミズナギドリ繁殖調査は夕方から早朝に行うため、お昼の間は睡眠や休憩、そして鳥獣保護区である島内の調査を行います。

その他のお昼の調査としては下の写真のように巣穴の雛の重さを量り、成長具合や採餌の頻度なども調べます。

雛は巣穴にずっといるのですが、大人のオオミズナギドリは夜明け前に島を立ち、昼の間は海で餌を採り夕方になると島に帰ってくる生活スタイルです。

そのため、夕方になると島の周りには下の写真のようにオオミズナギドリが大きな群れをなして飛んで帰ってきます。

上の写真に写っている黒い点々は蚊やハエではありません。

全て鳥です。これを鳥柱といいます。

夕方を過ぎると帰ってきたオオミズナギドリが下の写真のように、野営地をはじめとした島内のいたる所をうろついていています。

冠島調査研究会の方々があたりを歩いているオオミズナギドリを捕まえて金属製の足輪をつけます。足輪をつけたら逃がします。

夜の調査はこれを繰り返しますが、明け方の調査ではそうした足輪の確認と同時にオオミズナギドリの重さや体長、嘴長、鳥の飛び立ち数などもはかっています。こうした夜の調査と明け方の調査をそれぞれ三回行うと三泊四日間の調査は終了となります。

島での作業はここまでです。今回の調査結果は過去の調査と比較し、冠島調査研究会が営巣状況がどう変化したか考えるそうです。

過去調査と比べて営巣は増えているのか減っているのか、結果を聞くときが楽しみです。